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- 作者: ダン・ブラウン,越前敏弥
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/06/08
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著者:ダン ブラウン(越前 敏弥:訳)
この人の作品は個人的にかなり好きである。
たぶん私がキリスト教、それもその異端思想や聖杯伝説・死海文書といった正典から外れた部分に興味関心がある。
この著者の作品は、先の作品もそうだが、まさに私のそういった知的好奇心をくすぐるような仕掛けがふんだんに仕掛けられているのである。
しかし、まあ、ここは、個人的な趣向は置いておいて、とりあえず書の評をしなければなるまい。
(でも結局独断と偏見なんでしょ)<まあ、それは言わないお約束>
物語の質としては80点が付けられると思う。
二転三転する最後の展開に関しては、ややお約束的な印象もあり、ある程度予想の範疇に収まってしまったのは残念ではあったが、ミステリーとして十分に読ませるものがあった。
それにしても、著者の勇気には敬意を表する。
この作品に対しては、法王庁から抗議が表明されており、熱狂的な信者からは命を狙われてもおかしくはない内容となっているが、それでも著者は書きたいものを書くのだ、という姿勢で次々と問題作を世に送り出している。
本格ミステリを求める人にとっては絶好の1冊。
最後まで楽しめることは間違いない。
特に設定の作り込みがされている作品が好きな方にお勧め。
どうでもよいことであるが、読後、ドーキンスが宗教に対して強烈な決別を突きつけた本の存在を思い出し(『神は妄想である』)、無性に読みたくなって即購入してしまった。
(未だにページをめくってすらいないが)