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吉越式利益マックスの部下操縦術

書名：吉越式利益マックスの部下操縦術
著者：吉越 浩一郎

部長さんには不評だったが、個人的には良書だと思う。
本書で吉越氏が伝えたかったのは、次のようなこと。
「部下にどんどん仕事を委譲せよ。手取り足取り教えてやろうとするな。情報は全て開示せよ。甘やかさず突き放せ」
そして、それは正しい。

結局どれだけ教えても、自分で体得しないことには身にならない。
どれだけヒントを与えるか、助言を与えるかはその部下次第であるが、最終的には部下自身がそれを成し遂げなければその部下の成長はない。
(勿論影でフォローする必要は出てくるだろうが)

また、自分で余裕をもって出来る仕事はどんどん部下に委譲していくべきだという指摘も正しい。
上司がいつまでも自分の仕事を離さずに持っていると、部下がいつまで経っても成長しない。
それはその部下にとっては勿論のこと、その上司にとっても不幸なことである。
更に、組織にとってはそこで人的資本の停滞が発生している訳であるから、由々しき事態である。
本書にはそのような事態を打開するための具体的な対策が示されている。

それにしても。
吉越氏の書く本には本当に無駄がない。
短く、簡潔で、鋭い。
つくづくこのような人が上司でなくてよかったと思わされる。
自分のような非効率・無駄の塊のような人間は真っ先に斬られていた(いろいろな意味で)だろうから。