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- 作者: 会田弘継
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/09
- メディア: 単行本
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著者:会田弘継
良書、だが、やや期待はずれな部分もあった。
アメリカの新保守主義について、少し深く掘り下げた話を、それも思想面での特徴を詳述した書を期待したのだが、どちらかというと、広く浅く全体をカバーした形の内容だった。
まあ、著者はジャーナリストだから、そういう風になるのも解らなくはないが。
勿論、大いに勉強にはなる。
「ネオコン」なる思想が、いったいいつの間に現れて、一大旋風を巻き起こすことになったのか、その起源について学ぶ足がかりとして、本書は有効である。
本書を通して、現代アメリカの「保守」「新保守」「キリスト教原理主義」「ネオコン」が、それぞれどのような起源(2次大戦後に限定されるが)を持ち、それぞれどのような「違い」があり(それらは似て非なるものであることが本書で明かされている)、それぞれどのような立場をとり、そして「ネオコン」が「保守」をいかに「利用」したか、といったことが漠然とであるが理解できる。
このことで、現代アメリカを取り巻く政治思想環境が整理でき、アメリカの政治ニュースに対する理解がより深まることになるだろう。
本書から学んだことであるが、アメリカにおける「保守」の意味は、現在においてあまりにも多岐にわたっており、かの国では現在、安易に「保守」という言葉を使える状態にないようだ。
自由の国、アメリカらしいといえば、らしい話だが。
(そういう国があっても良いと思う。物語的には)
現代アメリカに関心のある人は読んでおくべき必読の書。