東京WOMEN大作戦

東京WOMEN大作戦

書名:東京WOMEN大作戦
著者:TPL


駄本。


[9/23 追記]
期待過剰だったのかも知れない。
これまでの女性活動家とはひと味違う、そういうのを期待していた。
が、大いに期待はずれ。


中でも一番何が言いたいのかよく解らなかったのが、小池百合子
この人が総理にならなくて、本当に良かった。
環境が重要な問題なのは解るが、敢えてこのメンバーで集まって、「「東京」を変える」ことについて話し合うという本書ので、なんでそんなマイクロなことばかり語るのか、理解に苦しむ。
しまいには、自宅がいかに「エコ」に配慮した作りになっているかの自慢話まで始めているが、それがどうしたら(少なくとも「東京」規模の)環境政策に結びつくのか、よく解らない。


猪口邦子少子化対策も、新規性に乏しい(というよりほとんどゼロ)。
女性だから「少子化」問題、女性だから「環境」問題、(女性だから「平和」問題)といった考え方は、余りにも古すぎる。
いつまでも「女性の視点を」という代わり映えのない主張一点張りでは、男性社会にいいように利用されるだけである。
(現に小池はいいように利用されている)


唯一まだ読めたのは、佐藤ゆかりの主張であるが、これも「ものづくり立国」など20世紀的な古い経済観に基づいた主張でとてもこれから先の日本を任せられるような論ではない。
(ITの話はどこにも出てこない)
「金融立国」など夢のまた夢。
「ペット経済」など論外。
今は過去の財産でこの国にもまだそのような余裕があるが、これから先は、そのような悠長なことを言っていられなくなる(高齢者は軒並みお金持ち、なんていうのは一時的な現象でしかない。短期的にそれらの動かない金を動かして少し景気を刺激したところで焼け石に水。お金は続かないから、市場は発展しないだろうし、まして「経済圏」など形成されるはずもない)。
第一、「子どもの代わりのペット奨励」って、最初の小池百合子の「少子化」対策と矛盾していないか?


という感じで、まあ、評価としては下の下。
この国の本当に優秀な女性たちは、賢いから、あまり表には出てこないのだろうなぁ、という感を強めただけ。
(緒方貞子のような人を少しは見習って欲しい)
別に女性は引っ込んでいろ、と言いたいのではない。
のこのこと表に出てきていいように利用されるな、と言いたいのである。
それでは表に出てくる意味がない。
そもそも女性は表に出なくても、十分男性(社会)を思うように動かすことができるのである。
(この意味が解らない人は、アリストパネスの『女の平和』を読むこと)
表舞台に出てくるときは、よっぽどの時であり(一応私は今がその「よっぽどの時」であると考える。男どもでは問題が解決できなくなった時、である。だからダメ男の塊になった自民党を女性の力を持って改革することそれ自体は正しいと思っている。しかし、いかんせん、その主役たちがそろいも揃って力不足である)、そこには確実な勝算と覚悟が無ければならない。
例えばフランス革命ヴェルサイユ行進のような。


以上、長々と書いたが、駄本である。
読む価値なし。