東京レポート2-4

望京・・・。
勿論造語である。
沖縄以外ならどこでも同じだろう、というこの人の完全に間違っている認識が生み出した奇怪な言葉。


東京の何がよいか。
それについてはさんざん書いて来たつもり。
衆の中で消滅する自己、交通の便、情報の集積、物資の集積・・・。
空気や雰囲気など全てにおいて自分は都会の人間なのだと何度来ても思い出させられるのであるが、私自身がそう洗練されている訳ではない。
田舎ものだしね(まだ根に持っているのか)。
やはり、愛書家に最適な環境なのだからだろうか。


本日の予定は、ずばり
前回の上京(昨年夏)では果たせなかった神田神保町古書店巡りを・・・。
危険な臭いを感じた人、大分この人の性癖が解ってきたようで。


連日飲み会の疲れをとろうと朝ホテルでのんびりしていたら、お掃除の方と鉢合わせ。
「お掃除は・・・」
(><)もうちょっと待って。
と言ってのんびり朝シャン・・・。
していたら、フロントから電話が。
「お掃除は・・・」
^(>_<)^だから待ってって言ってるでしょ。
いいや、フロントには言ってなかったよ。
追い出されるようにホテルを出る。
ここ、ビジネスホテルだもんね。
チェックアウト、10:00だもんね。
そりゃ11:30迄のんびりされても困るよね。


まあ、それでも意気揚々と向かった先は・・・秋葉原
何で?
あれ?知らないの?
電気街と古書店街は目と鼻の先なのですよ。
そうじゃなくって。
はいはい。
実は一昨日声をかけられたゴスな女の子に・・・。
はいそこ、無理しない。
いや、無理っていうか。
君が書くと妄想にすらならないよね。


誤解のないように(大いに誤解してくれてかまわないのだが)軌道修正。
目的は一昨日紛失したヘッドフォンの補充。
この人は音楽がないと3日で死ぬのだ。
で、まあ、ちゃちゃっと手持ちのソフトを売却してその売却益でヘッドフォンをゲット。
今度はやや大きいからもう落としたりしないでしょ(いや、ふつうヘッドフォンなんて落とさない)。


subwa○のわさびが利いたサンドを平らげていざ、神保町へ。
どうでもいいけどこの靖国通り、東京の中でもお気に入りの通りの1つ。
勿論、古書店街に続いているというのが大きな要因だが。
はいはい、どうせ私は本べったりですよ〜。
一応この界隈だとスポーツ用品とか、お茶の水だと楽器だとか、ごくごくたま〜に見に行ったりするんだけどね。


久しぶりの神保町。
感激したのでシャッターを切ってみたが、あんまり雰囲気でない。

神保町って地味なんだよね、想像以上に。
アキバの電気街も意外に小さい空間なのだけど、神保町古書店街はそれ以上。
(実際にはこの界隈に200店舗の書店があるらしい・・・知らなかった。20〜30と思っていた。まだまだ甘いな)
まあ、その小さな通りには夢と欲望と欲望と欲望と欲望がぎっしり・・・うへへ。
(よだれ、よだれ)


バックミュージックは勿論、R.O.Dのサントラ。
やはりこれですよね。
書痴にしかわからないこの高揚感。


とりあえず最初に入った書店で本を物色。
今回の目的はとりあえず文庫。
文庫の古書というものは、これがやっかいで、

  • 絶版が多く、しかもなかなか手に入らない
  • 値段が下がった分が送料で打ち消される
  • ばらばらに注文するとむしろ送料でとんでもない値段になる
  • 古典などあまり古い出版年のものを買ってしまうと文語調のものだったりして読みづらい

など諸処の事情があって、古書店で直接買う、というのがベストの入手手段なのである。
しかし、残念なことに、徳島でまともな古書店を見かけたことはついぞない。
(私の行動範囲が狭いだけなのかも知れない。誰か、教えて)
向こうに移っても相変わらず本を漁り歩いていたのであるが、岩波文庫あたりの手にはいらなさにしびれを切らしていたのだ。


で、目的は文庫。
これなら多少暴走してもまだ被害が少ない。
多少・・・。

あ゛。
先に結果ばらしちゃった。


最初に入った書店で早くも当初予算(あってないようなもの)の半分を使い果たし、うろたえる。
既に片手にあまる。
しかしまあ、『文明崩壊 上下』なんて、ここで買わなくてもいいのに。
いや、何度か買い逃していたので、つい。


2軒目・・・。
・・・入って1時間以上出てこない。
というのも、掘り出し物が凄かったからだ。
手が伸びる、伸びる、ゴム人間もびっくり(なんのことだ?俺は知らないぞ)。


もう、人文(特に哲学・宗教)の専門書・古典が欲しくて欲しくて仕方ない。
ヲイ。
今回は文庫目的なのだろ。
ああ、でも大貫さんの本があるとつい・・・。
無理無理。
値段見なよ。
ほらそこっ!
読みもしないのに『ゲーデルエッシャー・バッハ』に手を出さない!<いや、読むよ>
という感じで早くも暴走が始まりそうだったので、ふと我に返った瞬間に慌ててそのフロアを離れる。
狭い階段を上っていくと・・・。
なんと、三島のフロアがあった。
映画のパンフとか、肉筆の原稿とか・・・。
す、すごい。
でも勿論買えない・・・。
(もっとも、わたしは「物語」を重視するのであまりそういうプレミアものには関心がない。ミーハーは嫌いだし)
ここ来るの2回目だけど、こんなとこあったっけ?
て、無謀にも店員さんに聞いてしまいました。
「いや、前からずっとあるんですけど」
はて?
さては踊り場にしか書いてないから気づかなかったからとか・・・
「いや、表にでかでかと書いてあるんですけど」
あらま。
ま、まあ、また来ます。

小宮山書店というらしい。
感動したので宣伝してみる。


そこでは『三島由紀夫とは何だったのか』なる研究本をゲット。
これ以上欲望が暴走するといけないのでここもまたそそくさと退散。
それにしても、『憂国』の映画が見たいなぁ。


下の階で目的の文庫群にぶつかり、早速物色。
両手に抱えきれなくなったところで一息ついて、気が変わる前に会計に直行。
既に「よさんってなんでしたっけぇ、ぃえひぇひぇ」状態。
ま、まあ文庫主体なのでまだ何とか。


この時点で当初予定時刻にだいぶ近づいていたのだが、何か物足りない。
何だろう・・・と思っていたら、ジイドだった。
このノーベル文学賞作家の本が読みたくて仕方ないのだが、なかなか手に入らなかったのだ。
古書店ならあるはず、と思って探していたのだが見つからない。
こういうの、引きずるんだよね。
で、どこまで引きずったかというと・・・。


は〜い。
書店巡りに2次会ってあるんですかぁ?
なんとまあ、神保町を一巡りしてもジイドに出会えなかったこの御仁はその足で早稲田に来てしまったのだ。
勿論目的は古書。
いいのか?こんな書痴で。


でまあ、最初に入った、文庫が比較的充実している店ではジイド見つからず。
なのにまた片手にあまる本抱えてレジに向かっているのは何故?
しかもシュンペーターとかリカードとか、読むの?
へぼ経済学生。
まあ、『ルー・ザロメ』は解らなくもないけど。


で、早稲田古書店3軒目でようやくジイド様にご対面。
が・・・。
なんか元値の7倍くらいの値段が付いているんですけど・・・。
・・・・・・。
ええいっ、この際だ、買っちゃえ。
と3冊中2冊(実は思い切りが悪い)を言い値で購入。
た、高いが・・・ようやく手に入れた。
よっしゃ、本日の収穫はこれだぁぁああ!
(という喜びが持ったのは3日。Amazonで同じ本が¥10(元値の1/10以下)で売られていたという事実に気づくまで。合掌)


ようやく暴走が止まったときには、ものすごく重たい紙袋が握られていた。
というか、片手でずっと持っていることが出来ずに、手を替え品を替え顔を替え・・・いや、あんパンのヒーローじゃないんだから。
とりあえず、紙袋抱えて喫茶店へ。
早稲田で喫茶店と言えば勿論、ここ。

私の隠れ家。
学生時代は週に5回は来ていた(いや、ホント)。
何故か誰か連れ込むと虫が出たり注文が遅れてきたりと、その連れの印象を悪くする、私に似て間の悪いところがあるところだが、私にとってはなくてはならない店だった(今もそう。通いたい・・・)。
まあ、まさか覚えてはいまい、と思っていたのだが、しっかり覚えられていた(そりゃそうだ。毎日のように来て、一番奥の席占領して、パソコンつけるは、辞書重ねるは、あげくに昼寝しだすは、とほとんど営業妨害に等しい使い方していた客を忘れるはずがない)。
ここで哲学勉強会したなぁ、とかしみじみ。


女主人の方はもう80にもなるとのことで。
いつまでもお元気で。
また来ます。


体力を補充したところで新宿に逆行。
これから同期の方と会う予定があるのだ。


待ち合わせ場所は大江戸線「西新宿」駅・・・なのだった。
思い切りJR新宿駅西口から大江戸線「新宿」駅に向かって歩き、5分前について、「なんか違うな」と感じたので確認してようやく気づいた。
間抜け。
しかし、相手の方も遅れてやってきた。


で。
2人して新宿の街をうろうろうろうろ。
間違った方向に繰り出していたようで。
途中で気づいて軌道修正するが、まあ、なんて言うか、大丈夫ですかぁ〜東京で生きていけますかぁ〜、って感じでした。
それにしても。
大きな紙袋(中全部本!)持って歩き回るのは、あまりにも不格好。


しかしまあ、料理はおいしい店だったんだけど、なんか落ち着きませんでしたね。
次から次へと店員の横やりが入って、それに適切に応答している(神経質なので完全に応答してしまう)と疲れてしまうという感じ。
東京ってこういうところやーよね。
何かラインに乗せられて処理されている感じ。
時間とかお金とかいろいろあるんでしょうけど、もう少し「サービスとは何か」について考えた方がいいんじゃないかしらん。


まあ、それはいいとして。
お二方(もう1人あとから合流)にはこちらから質問攻めのような感じになってしまった。
数年の内には東京に移りたいという野望と文系的な仕事がしたいという要望がここに来て前面に出てしまった感じ。
それでもいろいろと教えていただいて有意義な時間だった。
お二方には悪いことしたかな、と。
まあ、私の話はどうせ詰まらないのでたぶんこれで良かったのだろうと思うけどね。
忙しい時(翌日も仕事!私はサボり・・・)に来てくださったことには感謝。


・・・げっぷ。
食い過ぎ。
いくら胃薬パワー全開といえども、こう連日歓迎されていては持たないぞ。
とはいってもこのダメージ、本格的に来たのはこの次の日(5/1)からで、この日までは、あ、意外に食えるジャンなんて勘違いしていた。
まあ、ハイだったんでしょうけど、無理なものは無理だったようで。


ホテル帰還後はぱたんキュー。