風邪をひいた・・・らしい。
認めたくないが、認めざるをえない。
なにせ悪寒がする、熱っぽい、のどが痛い、頭が痛い・・・。
これを風邪と言わずして何を風邪というのだ。
だが、認めたくない。


ふっ。
認めたくないものだな。
自分自身の若さ故の過ちというものを

ああっ!それだけは書いちゃ駄目。


なぜ認めたくないかと言えば、原因に思い当たる節があるからに決まっている。


2/28である。
「2月は逃げる」か、確かに。
しかしまだ私にとって時の流れは遅すぎる。


どこからだっけ。
ああ、原因の話か。
たぶん理由は単純。
朝方までカラオケしていたから。
・・・・・・。
お前は学生か。


ち、ちょっと待て。
少しだけ言い訳させてチョーダイ。
正確にはこう↓
自転車→バド→自転車×60分弱→カラオケ ⇒体力低下・喉にダメージ・寝不足
(ここから翌日)自転車メンテ→体育館下見→買い出し ⇒冷え・乾燥・風邪菌ゲット??


・・・・・・。
見苦しいから言い訳やめい。
まあとにかく、日曜はなんともなかったわけだけど、月曜日起きてみればあ〜ら不思議。
どうしてこんなに寒いのかしらん?
もしやこれは風邪?
なんて悠長なことを考えていたら、寒気が本格化して、やや躊躇いながらも葛根湯を服用し(私は風邪薬を服用すると持病の症状が悪化するので出来るだけ飲まずに治したいのである)、自転車飛ばして出社してみたら危惧していたとおりものすごい悪寒と頭痛に襲われてパタンキュー。
しかし何故か早退するのはもったいないと無駄な根性を発揮してどうにか定時まで粘って退社。
即病院行きは勿論のこと(いずれにしてもこの日は持病の薬をもらいに行く予定だった)。


もう少しだけ言い訳しておくと、睡眠不足は日曜には解消されていた(はず)。
たぶん体を冷やして喉を痛めた状態で乾燥し風の強い夜自転車を1時間以上漕いで(しかも橋を往復して)沈黙時々歌・・・って喉痛めてるのに歌うな!このボケナス(ね、文って繋げると解りづらいでしょ)<それは某芥川賞作家へのあてつけか>。
・・・・・・。
もうやめようや。
それ以上醜態さらしても惨めになるだけでっせ。
歌う愚か者は喉が弱いのでした、はい、おしまい。


で、なんだっけ。
ああ、病院。


私が震える体を抱えて玄関に潜り込もうとしたとき、ストレッチャーに載せられた高齢の方が運ばれてきた。
なんか不吉な予感がした。
実際にその方は急患で、私が病院を出るタイミング(たまたま行きも帰りも一緒でした。無事を祈る次第です)で救急車に乗せられていた。


で、何が言いたいかというと。
死を意識したということとアドレナリンが出て妙に気を張ってしまったということ。


受付に「ついでに風邪なので診てもらいたいです」と伝えると、熱を測るように言われ、38.6℃ある(ということは会社で39℃に到達していた)と判明するやマスクを付けさせられ、それから一通り"インフルエンザ"の検査。
検査はまあ、慣れたものだから(鼻に差し込まれるのは勘弁して欲しかったが)黙々と指示に従うだけなのであるが、マスクは慣れていない。
なんか大きすぎてはみ出している。
なんだろうね。
普段黒い人が白いものつけているから違和感があるのかな。


話が反れた。
検査が一通り終わり、結果が出るまで待てとベッドに案内されたのだが、寒くてかなわない(勿論熱のせい)。
目の前のかごにタオルケットらしきものが入っているのだが、使っていいものなのかどうかも解らない。
ということで寝るわけにも行かず、かといって隣の急患の方に忙しいスタッフの方を呼ぶわけにもいかず、仕方がないのでベッドの端にじっと座っていた。


3/1である
春はもうそこまで・・・と思いたいが何だろう、この風。


鳥インフルエンザのことを考えていた。
昨日まで元気に働いていた若者がある日突然倒れ、50日と経たずに死んでしまった。
東南アジアのある国の取材だったように思う。


50日か。
まず、死ねない、という思いが湧き起こった。
心残りがある。
何か、と考えると今書きかけの(とはいえ1字もかけていない)「物語世界論」だった。
あれは書き残しておかなければならない。
他の全てはこのままあの世に持ち去っても構わないが、それだけは遺しておきたい。
だから恐らく医者に「あと50日だ」と言われたら、無理をしてでもそれを書いて、書き上げて死ぬだろう。
妄想は膨らんだ。


視点を変えれば心残りはそれだけで、それさえ除けば後はいつでも死ねる状態にあるということなのか。
そして本当はそれさえもどうでもいいと思っているのだ。


そういういい加減な死の意識に囚われながら、一方では必要以上に気を張っていた。
隣に大変な状態の人がいたからだろう。
「迷惑をかけてはいけない」「自分は程度が軽い(少なくとも今死にかけてはいない)のだからなるべく速やかに処理されなければならない」という考えに囚われ、身体もそれに応じてがんばるべきでないときにがんばっていた。
会社ではそれこそ歩くとふらふらするぐらいの状態だったのに、病院では何でもないかのようにてきぱきと動いていた。
この人にはもともとそういう神経質なところがある。
病気で病院に行っても「医者の問いに当意即妙の答を返さなければならない」「言いつけられた指示を1回で理解し速やかにそれに従わなければならない」という強迫観念に囚われ、もしそれが上手くいかないと落ち込むのである(勿論後でひとりでこっそり)。
つくづく損な性格だとは思った、


まあ、ともかく。
インフルエンザの検査は陰性。
いつもの薬に風邪用の薬をたっぷりと付加されて、送り出されたのでありました。
帰り際、よろけながら自転車に乗ろうとすると。
「家は近いの?」などと問われ、「比較的近いです」という意味深長な答を返し、さらに2,3度よろけながらそれでも気丈に振る舞って退散したのでした。
それにしても「風邪なのに自転車?」って、自転車しかないのだからどうしろというのだろう。
まさか件の急患の人を収容しに来た救急車(上述の通り、帰り(?)のタイミングも一緒だった)に乗せてもらうわけにもいかないでしょ。