考えた。
作戦も練った。
演習もした。


だが、始めから負ける戦いであったのだ。
肝心なことを忘れていた。


お前は何を期待していたのだ。
勝つつもりでいた自分が情けない。
勝とうとしていた自分が許せない。


戦いは避けられたはずだ。
少なくとも延ばせたはずだ。
だが、それは互いを苦しめるだけだ。
だから開戦に踏み切った。


雨が敗者を打つ。
打たれるがままにする。
自分への戒めである。


後悔はない。
ただ、鏡に映る男が憎い。
果てしなく憎い。


だが、憎むことは許すことである。
憎むことは忘れることである。
私はこれを忘れない。
忘れてはいけない。
全てを背負って生きていかなければならない。